<<第55回:空き家になったときの対策【空き家バンク・固定資産税・都市計画税・住宅用地の特例・特定空き家・空き家解体のメりット、デメりット】
ここが大切!
- 要支援・要介護に認定されれば介護サービスを利用できる。
- 要支援・要介護認定の申請は市区町村役場で。
- 介護保険は1割負担か2割負担。
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要介護認定を受けるためのプロセス
自分自身が50代、60代になったとき、老いた親の介護という問題に直面する人は少なくありません。多くの場合、親のどちらかが亡くなり、親が一人暮らしをすることになり、子供の面倒を見なければならなくなることがあります。そうなったときに慌てないためには、介護サービスについての基本的な理解を深めておくことが大切です。
介護サービスとは、介護保険で受けられるサービスのことで、要介護1~5の認定を受けた人が受けられるサービスと、要支援1~2の認定を受けた人が受けられるサービスの2つに分けられます。
この要支援・要介護認定の申請は、申請者の住所地の市区町村役場で行います。申請書には、主治医(かかりつけ医)の氏名を記入する欄があります。
申請すると、役所は主治医に意見書の作成を依頼します。主治医は、本人の心身の状態について「主治医意見書」を作成します。主治医がいない場合は、役所の指定する医師が診断します。そうすると、1回の診断だけで意見書を書いてもらうことになるので、あらかじめ医師の診断を受けておくとよいでしょう。
その後、要介護度認定のための調査を受けることになりますが、1回目と2回目の評価を経て、市町村が要介護度を決定することになります。
認定の基準は下表のとおりです。
要支援・要介護の認定基準
身体の状態(例) | |
---|---|
要支援1 |
【認知症】症状があっても、日常生活に支障がない。 |
要支援2 |
【認知症】物忘れがあっても、ほとんどの場合、生活に大きな支障はきたさない。 |
要介護1 |
【認知症】物忘れや思考・感情などの障害により、十分な説明を行ってもなお、介護予防サービスの利用に対して、適切な理解が困難。 |
要介護2 |
【認知症】日課や直前に何をしていたかなどが部分的にわからなくなるため、生活に支障をきたす。他人とのスムーズな応対が困難。 |
要介護3 |
【認知症】生年月日や自分の名前などがわからなくなる。着替えなど自分の身の回りのことができなくなってくる。 |
要介護4 |
【認知症】常に意思疎通が困難となる。日常生活に支障をきたす行動が頻繁にみられる。 |
要介護5 |
【認知症】理解全般が低下している。 |
要介護認定の申請から認定までの流れ
介護保険の利用者負担は支給限度額の1割
介護保険は、現金給付ではなく、介護が必要になったときに低い自己負担でサービスを利用できる点で、健康保険と似たような制度である。介護保険サービスを利用する場合、利用者は介護サービス費用の1割を負担する。
しかし、「一定の所得以上の人」は2割の負担となる。一定所得以上の方」とは、65歳以上の被保険者で、合計所得金額が160万円以上(単身者で年金収入のみの場合は280万円以上)の方を指します。総収入が160万円以上でも、実際の収入が280万円未満であったり、2人以上の世帯で負担能力が低い場合は、負担が1割に戻るケースもあります。
サービス利用者のサービス利用限度額(介護保険負担限度額)は下表のとおりで、その1割が利用者の負担となります。限度額を超えてサービスを利用した場合は、超過分の全額を利用者が負担することになります。
介護保険施設を利用する場合、1割の自己負担の他に、居住費、食費、日常生活費も利用者の負担となります。
例えば、要介護3の方が特別養護老人ホーム(社会福祉法人や地方公共団体が運営する公的介護施設、通称「特養」)に入所した場合、介護サービス費26,910円の1割負担のほか、施設や部屋の種類によって、生活費がかかります。費用は施設や部屋の種類によって異なり、個室は多床室より高くなります。
特養入所の場合の費用の考え方
介護保険の支給限度額と自己負担額
支給限度額 | 自己負担額(1割) | |
---|---|---|
要支援1 | 50,030円 | 5,003円 |
要支援2 | 104,730円 | 10,473円 |
要介護1 | 166,920円 | 16,692円 |
要介護2 | 196,160円 | 19,616円 |
要介護3 | 269,310円 | 26,931円 |
要介護4 | 308,060円 | 30,806円 |
要介護5 | 360,650円 | 36,065円 |
その人に必要な介護サービスや費用について、地域のケアマネジャーに相談・確認することが必要です。ケアマネジャーにも相性がある。信頼できるケアマネジャーに出会うための努力を惜しまないことが大切です。