ここが大切!
- 必要な手続きは優先順位を決めて
- 故人の戸籍謄本、除籍謄本、死亡診断書、手続きをする人の住民票、印鑑登録証明は必ず用意しておく。
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死亡後の手続きは優先順位をつけて進める
悲しみや心労があっても、葬儀の後には様々な手続きが待っています。慌てず、たくさんある手続きの中から優先順位をつけて、ひとつひとつこなしていくことが大切です。対応が難しい手続きは、専門家に相談するのが一番です。
必要な手続きは、大きく分けて、(1)亡くなった直後に行う手続き、(2)落ち着いてから行う手続き、(3)随時行う手続き、に分けられます。
(1)の死亡届と火葬許可申請に関する手続きは、死亡後7日以内に行う必要があります。故人が会社員だった場合は、死亡後5日以内に健康保険・厚生年金保険の資格喪失届を年金事務所に、自営業の場合は国民健康保険の資格喪失届を提出する必要があります。
故人が75歳以上の場合は、死亡後14日以内に後期高齢者医療資格喪失届を提出する必要があります。また、年金を受給している人が亡くなった場合は、速やかに年金受給停止手続きを行わなければなりません。さらに、世帯主が死亡した場合は、14日以内に世帯主変更届を提出しなければならない。
(2)で必要な手続きとは、電気・ガス・水道などの変更・停止、葬儀・埋葬費などの受け取りなどです。(3)で必要に応じて行う手続きには、高額療養費の還付申請、未支給年金や遺族年金の受給などの年金関係手続き、遺産分割協議や死亡保険金の受給などの相続手続き、故人の所得税の準確定申告、相続税の申告などの税金関係などがあります。一覧表を確認しながら、手続きを進めてください。
使用料が継続するものは早めに解約を
電気・ガス・水道などの公共料金は、故人の口座が凍結されると「引き落とし不能」のお知らせが届くので、その都度名義を変更すればOKです。一方、携帯電話やプロバイダーは、ずっと使用料が請求されるので、早急に使用停止や名義変更をする必要がある。運転免許証やパスポートは所轄に届け出て返却することになっているが、これらは有効期限を過ぎると無効になるので、そのままにしておいてもよい。
死亡後に必要な手続き一覧
各手続きの期限を確認し、優先順位をつけ、一つずつ完了させる。各必要書類を確認・準備し、手続きが完了したらチェックを入れる。
①亡くなった直後に行う手続き
チェック欄 | 内容 | 提出先 | 手続き | 期限 |
---|---|---|---|---|
□ | 死亡診断書・死亡届 | 市区町村役場 | 死亡診断書と死亡届は1枚の用紙にセットになっている。病院や葬儀社が用意してくれることが多い。 | 死後7日以内 |
□ | 死亡・退職届 | 故人の勤務先 | 故人が会社勤めの場合、健康保険の手続きもあるので、連絡だけはすぐに入れる。身分証の返却や退職金等の手続きは葬儀等が落ち着いてから速やかに行う。 | 速やかに |
□ | 火葬許可申請書 | 市区町村役場 | 死亡届と同時に提出。これが処理されると火葬許可証が交付される。 | 死後7日以内 |
□ | 国民健康保険の資格喪失届と新規加入手続き | 市区町村役場 | 故人が国民健康保険加入者だった場合は、国 国民健康保険資格喪失届を提出する。併せて健康保険証も返却する。故人が世帯主だった場合は、健康保険証の返却時に世帯全員の保険証を持参し、世帯主を 変更した健康保険証を発行してもらう。 |
死後14日以内 |
□ | 健康保険・厚生年金保険被保険者資格喪失届(国保以外)と国民健康保険への加入手続き | 健康保険組合または協会けんぽ | 故人が勤務先で健康保険に加入していた場合、退職の手続きとともに健康保険証を返却する。故人の被扶養者だった遺族は、新たに国民健 康保険に加入する手続きをする。 |
死後5日以内 |
□ | 後期高齢者医療資格喪失届 | 市区町村役場 | 75歳以上(65~74歳で障害のある人を含む)の方が亡くなった場合。併せて後期高齢者医療被保険者証も返却する。 | 死後14日以内 |
□ | 介護保険の資格喪失届と介護保険証の返還 | 市区町村役場 | 故人が65歳以上および介護保険証の交付を受けていた場合。 | 死後14日以内 |
□ | 年金受給停止手続き | 市区町村役場または協会けんぽ | 故人が年金受給者だった場合。年金受給権者死亡届、年金手帳、死亡診断書、戸籍謄本が必要。手続きが遅れると、過払い分を返還しなければならない。日本年金機構に住民票コードを登録している場合は手続き不要。 | 国民年金は死後14日以内、厚生年金は死後10日以内 |
□ | 住民票の世帯主変更 | 新しい世帯主居住の市区町村役場 | 故人が世帯主だった場合、また、同じ世帯に15歳以上の者が2人以上いる場合は世帯主変更届を提出する。 | 死後14日以内 |
□ | 児童扶養手当認定請求書 | 市区町村役場 | 母子家庭になった場合。市区町村役場の窓口で確認を | 世帯主変更届と同時に |
②落ち着いてから行う手続き
チェック欄 | 内容 | 提出先 | 手続き |
---|---|---|---|
□ | 電気・ガス・水道の名義変更、停止 | 所轄の営業所 | 故人が契約者だった場合。電話で名義変更できる。料金が自動引き落としになっている場合は、金融機関での手続きが必要。 |
□ | 固定·携帯電話、インターネットの名義変更、停止 | 各種契約会社の窓口 | 死亡の事実を確認できる書類を窓口に持参し、名義変更、解約をする。解約日までの料金を請求されることが多い。 |
□ | 公団・公営の賃貸住宅 | 所轄の営業所 | 故人が住居の賃貸契約をしていて、遺族が引き継ぐ場合に名義変更をする。名義継承願、戸籍謄本、住民票、所得証明書、印鑑証明書などが必要。 |
□ | 民間の借地・借家 | 地主・家主 | 故人が住居の賃貸契約をしていて、遺族が引き継ぐ場合の名義承継。住民票、印鑑証明、戸籍謄本、除籍謄本が必要。 |
□ | 住宅ローン | 契約先 | 団体生命保険付きが一般的。ローンを借り入れていた方が亡くなった場合、その生命保険で残債が支払われる。手続きは、借入先の金融機関に相談する。住宅金融公庫借入金に生命保険がついている場合もある。 |
□ | NHK受信料契約者変更 | NHKフりーダイヤル窓口 | 故人が契約者だった場合。電話で名義変更できる。料金が自動引き落としになっている場合は、金融機関での手続きが必要。 |
□ | クレジットカードやデパートの会員権の解約 | 各社 | 故人が会員だった場合。退会・解約手続きの書類を申請する。 |
□ | 運転免許証の返還 | 所轄の警察署または公安委員会 | 故人が運転免許証を持っていた場合。ただし、返納手続きを行わなくても、更新手続きを行わなければ自動的に失効する。 |
□ | 身体障害者手帳の返還 | 市区町村役場、福祉事務所 | 返還届。印鑑と手帳が必要。 |
③必要に応じて行う手続き
チェック欄 | 内容 | 提出先 | 手続き | 期限 |
---|---|---|---|---|
□ | 未支給失業給付金の請求 | 公共職業安定所(ハローワーク) | 死亡の日の前日までの失業給付を死亡者と生計を同じくしていた者が受けられる。未支給失業給付請求書、死亡者の受給資格者証、死亡診断書、住民票等をハローワークに。 | 死亡後1か月 |
□ | 葬祭費支給申請(国民健康保険、後期高齢者医療制度に加入していた方) | 市区町村役場の国民健康保険課 | 金額や名称は自治体によって異なる。故人が国民健康保険、後期高齢者医療制度の被保険者だった場合。葬祭費支給申請書、健康保険証、死亡診断書(死体検案書)、葬儀費用の領収書。 | 死後2年以内 |
□ | 埋葬料支給申請(勤務先で健康保険に加入していた方(本人死亡のとき)) | 健康保険組合、協会けんぽ | 名称は加入している健康保険組合によって異なる。故人が健康保険の被保険者だった場合。埋葬料支給申請書、健康保険証、死亡診断書(死体検案書)または火葬許可証、または事業主による死亡年月の証明、葬儀費用の領収書など。 | |
□ | 家族埋葬料支給申請(勤務先で健康保険に加入していた方(家族死亡のとき)) | 健康保険組合、協会けんぽ | 故人が健康保険加入者の被扶養者だった場合。家族埋葬料支給申請書、健康保険証、死亡診断書(死体検案書)または火葬許可証または事業主による死亡年月の証明、葬儀費用の領収書など。 | 死亡後2年以内 |
□ | 高額療養費の還付申請(国民健康保険、健康保険、後期高齢者医療制に加入していた方) | 国保は市区町村役場、その他の健康保険は勤務先、健康保険組合または協会けんぽ | 被保険者である故人が70歳未満、あるいはひと月に一定の自己負担額を超えて支払っている場合は、過払い分の払い戻しを請求できる。高額療養費支給申請書、医療費の領収書、国民健康保険証または健康保険証、印鑑が必要。 | 医療サービスを受けた翌月1日から2年以内 |
□ | 所得税の準確定申告・納付 | 故人の所轄の税務署 | 確定申告が必要な方が亡くなった場合に必要(故人が事業主、または年収2000万円を超える場合、医療費控除を受ける場合など)。所得税確定申告書、死亡日までの所得計算書、生命保険·損害保険の控除証明書、医療費の領収書(医療費控除を受ける場合)、代表相続人を指定する付表(相続人の氏名、相続割合などを記載したもの)。消費税の確定申告には、「消費税および地方消費税の確定申告書」が必要。故人が会社員の場合は勤務先で行う。 | 死亡後4か月以内 |
□ | 医療費控除の手続き | 故人の所轄の税務署 | その年に支払った医療費の総額が10万円以上の場合、準確定申告と同時に行う。 | 死後5年以内 |
□ | 個人事業の廃業・承継の届出 | 所轄の税務署 | 個人事業者の死亡届出書、個人事業の開業・廃業等届出書など | 死亡後1か月以内 |
□ | 預貯金の相続手続き | 各金融機関 | まず各金融機関に電話して口座を凍結する。その後、相続関係が確認できる書類などを提出して残高照会、相続の手続きをする。 | 相続関係確定後、速やかに |
□ | 死亡保険金、医療給付金などの請求(生命保険加入者が亡くなった場合) | 生命保険会社 | 故人が加入していた保険会社に電話し、必要な書類を確認する。受取人が指定されていない場合もあるので注意が必要。 | 死後3年以内(かんぽ生命は5年以内) |
□ | 不動産の相続手続き | 不動産所在地の法務局 | 所有権移転登記申請書、被相続人(故人)と相続人全員の住民票、相続人全員の戸籍謄本、被相続人の除籍謄本、登記する不動産の登記簿謄本または権利書、固定資産評価証明書など。 | 相続関係確定後、速やかに |
□ | 株・有価証券の相続手続き | 株式発行会社指定の信託銀行、株式の保護預かりをしている場合は証券会社 | まずは証券会社などに連絡して相続に必要な書類を揃える。売却する場合でも相続人名義の口座を用意する必要がある。株主名義書き換え請求書、株券、相続人全員の戸籍謄本、被相続人(故人)の除籍謄本、相続人全員の印鑑登録証明書、遺産分割協議書など。 | |
□ | 自動車の相続手続き | 新しい所有者の所轄の陸運局 | 売却·廃車する場合でも、いったんは相続する必要がある。複数の共同名義で相続することも可能。移転登録申請書、相続人の戸籍謄本、遺産分割協議書、相続人の印鑑登録証明書、被相続人(故人)と相続人の住民票など。 | 相続関係確定後、速やかに |
□ | 相続税の申告・納付 | 所轄の税務署 | 亡くなった方から相続や遺贈などによって受け取った財産の合計額が基礎控除額を超える場合、相続税を申告する必要がある。相続税の申告書、遺言書、遺産分割協議書、相続関係図など。 | 死亡後10か月以内(限定承認・相続放棄の手続きは3か月以内) |
□ | 遺族基礎年金給付請求(国民年金加入者が亡くなった場合) | 市区町村役場の国民年金課、社会保険事務所 | 故人が国民年金のみに加入し、その方によって生計維持されていた配偶者(18歳到達年度の末日までにある子(障害の状態にある場合は20歳未満)または子どもが受けることができる。受給権者の年収に制限あり。遺族基礎年金裁定請求書、被保険者の年金手帳、故人の除籍謄本、死亡診断書、受給権者と被保険者との身分関係を明確にできる戸籍謄本、住民票(故人と請求者を含むもの)、請求者の預貯金通帳など。 | 死亡後5年以内(できるだけ早く) |
□ | 遺族厚生(共済)年金給付請求(厚生年金、共済年金加入者が亡くなった場合) | 社会保険事務所 | 亡くなった方によって生計を維持されていた遺族が受けることができる。遺族給付裁定請求書、被保険者の年金手帳、故人の除籍謄本、死亡診断書、受給権者と被保険者との身分関係を明確にできる戸籍謄本、住民票(故人と請求者を含むもの)、請求者の預貯金通帳など。 | |
□ | 死亡一時金給付請求(国民年金の第1号被保険者として保険料を納めた期間が3年以上ある方が亡くなった場合) | 市区町村役場の国民年金課 | 亡くなった方が老齢基礎年金、障害基礎年金を受けることなく亡くなったときに、その方と生計を同じくしていた遺族が受けることができる。死亡一時金裁定請求書、被保険者の年金手帳、故人の除籍謄本、死亡診断書、受給権者と被保険者との身分関係を明確にできる戸籍謄本、住民票(故人と請求者を含むもの)、請求者の預貯金通帳など。 | 死亡後2年以内(できるだけ早く) |
□ | 寡婦年金給付請求(国民年金の第1号被保険者として保険料を納めた期間が25年以上ある夫が亡くなった場合) | 市区町村役場の国民年金課 | 亡くなった夫と10年以上婚姻関係にあり、生計を維持されていた妻が60歳から65歳になるまで受けることができる。受給権者の年収に制限あり。寡婦年金裁定請求書、被保険者の年金手帳、故人の除籍謄本、死亡診断書、受給権者と被保険者との身分関係を明確にできる戸籍謄本、住民票(故人と請求者を含むもの)、請求者の預貯金通帳など。 | 死亡後5年以内(できるだけ早く) |
必要な書類は必要枚数を用意する
死亡に関する手続きには、さまざまな書類が必要です。戸籍謄本(こせきとうほん)とは、戸籍謄本(同一戸籍の全員の事項)の写し(全部事項証明)、戸籍抄本(こせきしょうほん)とは、一個人の事項のみの抄本の写し(個人事項証明)である。戸籍謄本は、結婚、離婚、死亡、転籍(本籍地の変更)などで戸籍に記載されなくなった人の除籍謄本であり、戸籍謄本は、戸籍謄本に記載された事項のうち、一個人の事項のみを抄本したもの(個人事項証明)である。
死亡に伴う手続きの際に提出することが多い書類なので、必要部数をまとめて用意し、原本のコピーも保管しておく必要があります。
本人がこれらの書類を申請するために窓口に行けない場合は、委任状を書いて代理人を依頼することも可能です。委任状には決まった書式はありませんが、①委任した年月日、②代理人の氏名、③委任の内容、委任する者の氏名、住所、印鑑を記載する必要があります。遠隔地で市区町村役場に申請に行けない場合は、郵送で受け付けてくれます。
死亡後に行う手続きに必要な書類
書類 | 手数料 | 内容 | 取得場所 |
---|---|---|---|
住民票 | 300円 | 現在住んでいる人に関する記録。世帯全部のものと一部のものとの2種類がある。 | 市区町村役場の窓口 |
戸籍謄本 | 450円 | 戸籍原本(同一戸籍の全員)の内容をそのまま写したもの。 | |
戸籍抄本 | 450円 | 戸籍原本の一部(戸籍内の一部の人のみ)を写したもの。 | |
除籍謄本 | 750円 | 戸籍に記載されている人がいなくなったときに、その除籍を写したもの。 | |
印鑑登録証明書 | 300円 | 通称、印鑑証明。市区町村に住民登録している人ができる印鑑証明。本人が登録している印(実印)の証明。 | |
死亡診断書 | ー | 医師が発行するもので、死亡届とセットになっている。 | 原本は役所に提出するので、あらかじめコピーを多めに取っておく。 |
火葬許可証 | ー | 死亡届・死亡診断書を役所に届け出たときに発行される。火葬後に火葬場が火葬済みの証印を押して返却される。 | 納骨時に墓地・霊園の管理者に提出する必要があるので、あらかじめコピーを取って保管しておく。 |
※手数料の額は東京都渋谷区の場合(自治体によって異なる)。証明書には有効期限があるものがあるので注意する。