<<第27回:【相続の基本】被相続人に貢献した人に認められる寄与分【決め方・計算方法・相続人以外の要件】
ここが大切!
- 自筆証書遺言は家庭裁判所で検認を受ける。
- 検認は相続開始から3か月以内に。
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遺産相続に大きな効力をもつ遺言書
人が亡くなると、7日以内に役所に死亡届を提出します。正月7日の法要を終えると、いよいよ遺産分割の準備に取り掛からなければならない。
まず確認しなければならないのは、遺言書の有無である。遺言書とは、自分の死後の遺産相続について意思表示した文書のことで、遺言書に記載された相続に関する事項は、法的な効力が大きい。一方、死に備えて自分の希望を自由に書き込むエンディングノートにも、自分の遺産に関する情報が記載されることがありますが、法的な効力は持ちません。
さて、遺品整理をしながら、故人の遺書を探します。見つけた遺言書が封印された自筆証書遺言の場合は、家庭裁判所で検認を受け、相続人またはその代理人の立会いのもと、家庭裁判所で開封する必要があります。遺言書を勝手に開封した場合、5万円以下の過料が課されます。封印されていない遺言書も開封することができますが、同じように検認の手続きが必要です。検認は、相続発生から3ヶ月以内に行わなければなりません。
自筆証書遺言は検認の手続きが必要
検認とは、裁判所の命令で行われる遺言書の確認手続きのことです。検認の目的は、遺言書の形状、加除の状態、日付、署名などを確認し、偽造・変造を防止するとともに、相続人、受遺者、その他の利害関係者に遺言書の存在を知らせることである。検認を受けなかったからといって、遺言書そのものが無効になるわけではないが、検認証明書のない遺言書は、不動産の登記や銀行の名義変更に利用することはできない。
検認の請求(検認申立書)は、遺言者の最後の住所地を管轄する家庭裁判所に提出します。検認申立書、申立人と相続人全員の戸籍謄本、遺言書の写し(開封されている場合)を家庭裁判所に提出すると、検認期日が指定され(通知)、再度家庭裁判所に出向いて遺言書の検認を受けることになります。その後、遺言書は検認済証明書とともに申立人に返却されます。検認に立ち会わなかった申立人、相続人等には、検認通知書が届きます。
公正証書遺言であれば、家庭裁判所の検認を受けることなく、すぐに開封して執行することができます。
ところで、遺言書の中で遺言執行者(遺言の内容を具体的に実行する人)が指定されていることがあります。このような場合は、できるだけ早く遺言執行者に連絡しましょう。
遺言執行者は、遺言の執行に必要な一切の権限を有しており、相続財産は遺言執行者から相続人に引き渡されることになります。
遺言執行者が指定されていない場合は、相続人が協力して遺言の執行にあたりますが、必要に応じて家庭裁判所が指定することもできます。
遺言の発見から執行までの流れ
遺産分割後に遺言書を発見したら
遺産分割協議で遺産分割方法を決定しても、その後に遺言書が発見されると、遺言書が優先され、遺産分割協議での決定が無効となり、遺産分割協議をやり直さなければなりません。ただし、相続人全員の合意があれば、遺産分割協議で決定したとおりに相続することができます。また、遺言執行者が指定されている場合でも、遺言執行者が相続人の合意を尊重し確認すれば、遺産分割協議のやり直しは必要ありません。
>>第29回:【3ヵ月以内】相続人が誰かを調査・確認する【戸籍調査・戸籍謄本・戸籍抄本・改製原戸籍・原戸籍・除籍謄本・戸籍の附票】