<第80回:自分なりの投資判断基準を持つ|不動産投資のメリット
記事のポイント
- まず、地域の特性を調査し、賃貸需要を把握する。
- 空室がある場合は、その理由と改善の余地を検討する
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分析により市場ニーズを把握する
投資物件として適しているかどうかを判断するために、以下の3つのステップで市場ニーズなどを把握・分析する。
ステップ1:市場調査
まず、地域の特性を把握します。賃貸需要は、そのエリアのゾーニングや人口動態によって大きく変化します。
初めて訪れるエリアや、マーケットが全く分からない場合は、不動産のプロであっても、地元の不動産業者数社に直接ヒアリングを行います。机上のデータよりも、現場の生の声が重要です。家賃相場や賃貸需要などについては、地元に精通した不動産業者からの情報が最も信頼できる。
都市計画や開発計画などがある場合、人の流れが一気に変わることもあるので、投資のチャンスと捉えましょう。
居住者の属性
ファミリー層が多いのか、単身者が多いのか
市場調査のためのチェックリスト
- 地域の人口、世帯数
- 駅の乗降客数、電車の本数など
- 成約状況など
- 近隣の賃貸物件と家賃
- 主要都市までの所要時間、乗り換え回数など
- 近隣の競合物件、空室率など
- 近隣の建設計画、開発予定地等の調査
- 近隣環境(コンビニ、スーパー、商業施設等、商店街の有無・状況等)
ステップ2:物件調査
購入予定物件の状況を調査します。特に、容積率を超えているなど、現行の建築基準法に適合しない建物(既存不適格建築物)である場合、金融機関からの担保評価が得られにくくなります。
物件調査のためのチェックリスト
- 現在の賃貸状況
- 建物の維持管理状況(修繕が必要な箇所はないか?)
- 各部屋の日当たり・環境等
- 駐輪場・駐車場の有無
- 駅までの徒歩距離
- 周辺環境など
ステップ3:現状分析・改善策など
空室リスクや周辺環境と比較しながら、賃料を分析します。レントロールを受け取って空室が目立つ場合は、”空室の理由”、”広告が適切に行われているか”、”改善の余地があるか等 “を検討します。改善の余地等」とは、物件の用途変更やリフォームによって賃貸対象を変えることです。改修費用は発生しますが、賃貸条件が改善され、多少の家賃アップが期待できます。
ただし、売主から提示されたレントロールが必ずしも正しいとは限りません。悪質な売主の場合、知人を一時的に入居させて満室にしていたり、リフォームが必要な部屋への入室を認めていない可能性があります。
容積率超過物件や敷地面積超過物件の場合、建物がどんなに古くても、将来の建て替え時期まで保有・運用し、キャピタルゲイン(転売益)を見込むのも投資方法の一つです。不動産のプロが物件を購入する。
レントロール
各部屋の賃料の一覧表。賃貸契約期間やランニングコスト、空室の場合は募集賃料などが記載されている。
容積率超過
敷地内で利用されていない容積率のこと。例えば、400%の建物に対して200%しか建てられない場合、建て替えで2倍にすることができる。
余剰敷地
有効活用の余地がある敷地のこと
概要
- 賃貸需要は、用途地域や居住者の属性によって変化する。
- 都市計画によって人の流れが変わるので、投資のチャンスでもある。
- 悪質な売主は、知人を利用して物件を満室にすることもある。