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【2021】助成金を受け取る方法|雇用関係助成金の受給要件・受給対象となる中小企業
- 雇用関係の助成金|受給要件の一部共有化について
- 雇用関係助成金での中小企業の範囲
- 助成金申請にあたっての主な注意点
受給要件の一部共通化
雇用関係の助成金については受給対象となる事業主に関して、要件の一部が共通化されています。
実際に助成金を受給するためには、下記の共通化された要件とあわせて、各助成金ごとに設定されている個別の受給要件も満たす必要があります。
受給対象となる事業主
受給対象となる事業主(企業・個人事業主など)は以下の通りとなります。
- 雇用保険適用事業所の事業主
- 申請期間内に申請を行なう事業主
- 支給のための審査に協力する事業主
助成金を受給できないケース
- 2019年4月1日以降に雇用関係助成金を申請し、不正受給による不支給決定または支給決定の取消しを受けた場合、不支給決定日または支給決定取消日から5年を経過した場合でも、不正受給による請求金を納付していない事業主(企業・個人事業主など)は、納付日まで申請できない(時効が完成している 場合を除く)
- 2019年4月1日以降に申請した雇用関係助成金について、申請事業主の役員等に他の事業主の役員等として不正受給に関与した役員等がいる場合は申請できない。不支給決定日または支給決定取消日から5年を経過していない場合や支給決定取消日から5年を経過していても、不正受給に係る請求金を納付していない場合は申請できない(時効が完成している場合を除く)
- 支給申請した年度の前年度より前のいずれかの年度の労働保険料を納入していない場合(支給申請日の翌日から起算して2か月以内に納付を行なった事業主を除く)
- 支給申請日の前日から過去1年間に、労働関係法令の違反があった場合
- 性風俗関連営業、接待を伴う飲食等営業またはこれら営業の一部を受託する営業を行なう場合(これらの営業を行なっていても、接待業務等に従事しない労働者雇入れの助成金については受給が認められることがある)
- 事業主または事業主等の役員等が、暴力団と関わりがある場合
- 事業主または事業主等の役員等が、破壊活動防止法4条に規定する暴力主義的破壊活動を行った、または行う恐れのある団体に属している場合
- 支給申請日または支給決定日の時点で倒産している場合
- 不正受給が発覚した際に都道府県労働局等が実施する事業主名および役員名(不正に関与した役員に限る)等の公表について、あらかじめ承諾していない事業主
支給申請期間
助成金の支給申請期間は、原則申請が可能となった日から2か月以内となります。
なお、助成金の財源は雇用保険料で、助成金の対象事業主数は国の予算額に制約されるため、申請期間中に受付を締め切る場合があります。
中小企業の範囲
助成金を申請する場合、中小企業か大企業かで、支給される率や支給される額が異なることがあります。
業種、資本金の額・出資の総額や常時雇用する労働者の数で判定します(図表1)。
ただし、「人材確保等支援助成金(中小企業団体助成コース)」の場合は、図表1に加えて、図表2の条件を満たす企業等も「中小企業者」に該当します。
このほか、「両立支援等助成金(女性活躍加速化コース)」は、業種や資本金の額・出資の総額にかかわらず「常時雇用する労働者数」が300人以下である企業が「中小企業」に該当します。
助成金申請にあたっての主な注意点
- 不正受給を行なった事業主は、助成金の返還を求められ、かつ、原則事業主名等が公表されます。
- 都道府県労働局に提出した支給申請書、 添付書類の写しなどは、支給決定時から5年間保存しなければなりません。
- 2019年4月1日以降の申請より、改正後の「支給要件確認申立書」を申請の都度、提出しなければなりません。
- 雇用関係助成金の支給・不支給の決定、支給決定の取消しなどは、行政不服審査法上の不服申立ての対象外です。
不正受給の場合の措置
- 支給前に不正受給をしようとした場合は不支給になります。
- 支給後に不正受給が発覚した場合は、請求金の納付が必要です。
- 支給前でも後でも、不正受給の処分決定日から5年間は、その事業主に対して雇用関係助成金は支給されません。
- 不正の内容によっては、不正に助成金を受給した事業主が告発されます。
- 不正受給が発覚した場合には、原則事業主名等が公表されます。あらかじめ、同意していない場合には、雇用関係助成金は支給されません。
生産性要件について
事業所における生産性向上の取組みを支援するため、雇用関係助成金を受給する事業主が次の(1)または(2)を満たしている場合に、助成金の割増等が行なわれます。
(1) 助成金の支給申請を行なう直近の会計年度における「生産性」が、次のいずれかに該当すること
①その3年度前と比べて6%以上伸びていること
②その3年度前と比べて1%以上(6%未満)伸びていること (金融機関から一定の「事業性評価」を得ていること)
◎「生産性」の計算式
生産性 = (営業利益 + 人件費 + 減価償却費+動産・不動産賃借料+租税公課)÷雇用保険被保険者数
(2) (1)の算定対象となった期間(支給申請を行なった年度の直近年度および当該会計年度から3年度前の期間)について、雇用する雇用保険被保険者(短期雇用特例被保険者および日雇労働被保険者を除く)を事業主都合によって解雇等(退職勧奨を含む)していないこと
(3) 生産性要件の対象となる主な助成金
- 労働移動支援助成金(早期雇入れ支援コース)
- キャリアアップ助成金(正社員化コース、賃金規定等改定コース、賃金規定等共通化コース、諸手当制度等共通化コース、選択的適用拡大導入時処遇改善コース、短時間労働者労働時間延長コース)
- 両立支援等助成金(出生時両立支援コース、介護離職防止支援コース、育児休業等支援コース、女性活躍加速化コース、不妊治療両立支援コース)
- 人材開発支援助成金(特定訓練コース、一般訓練コース、教育訓練休暇付与コース、特別育成訓練コースなど) ほか
図表1「雇用関係助成金での中小企業の範囲」
業種 | 規模 |
---|---|
小売業(飲食店を含む) | 常時雇用する労働者が50人以下、または資本金・出資の総額が5,000万円以下 |
サービス業 | 常時雇用する労働者が100人以下、または資本金・出資の総額が5,000万円以下 |
卸売業 | 常時雇用する労働者が100人以下、または資本金・出資の総額が1億円以下 |
その他の業種 | 常時雇用する労働者が300人以下、または資本金・出資の総額が3億円以下 |
図表2「人材確保等支援助成金(中小企業団体助成コース)の中小企業者(例外業種)」
業種 | 規模 |
---|---|
ゴム製品製造業 ※ | 常時雇用する労働者が900人以下、または資本金・出資の総額が3億円以下 |
ソフトウェア業または情報処理サービス業 | 常時雇用する労働者が300人以下、または資本金・出資の総額が3億円以下 |
旅館業 | 常時雇用する労働者が200人以下、または資本金・出資の総額が5,000万円以下 |
※自動車・航空機用のタイヤ、チューブ製造業、工業用ベルト製造業は除外